家を買う際に多くの人が利用する住宅ローン。当然審査があるのですが、その審査で確認されるポイントとはどのようなものなのでしょうか?また、どのようなローンを選べば良いのかといった選択基準や、賢い家のローンの支払い方、万が一支払えなくなってしまった場合にはどうしたら良いのかなどについてもご紹介します。

家のローンを組む

人生で最大の買い物は、家になるという人が多いのではないでしょうか。家を買う時には、家のローンを組む人が大半でしょう。しかし、一生に1度の買い物だからこそ、知らないことも多いもの。住宅ローンを賢く活用するために、事前に知識を身に着けておきましょう。

家のローンの基礎知識

ローンはどこで組む?

住宅を購入する時には自己資金を使うよりも住宅ローンを使うという人の方が圧倒的に多いでしょう。しかし、その住宅ローンというのはどこで組めば良いのでしょうか。住宅ローンは、銀行や信用金庫のほかに、財形住宅融資や、住宅金融公庫と民間ローンが提携した「フラット35」などがあります。また、自治体などで融資してもらえる場合もあります。

事前に下調べをしなくても、不動産屋に行くと自分が組めそうなローンを提案してくれるので、その中から選ぶという方法もあります。何か特別に使いたい家のローンがある場合には、事前に不動産屋さんに相談してみると良いでしょう。

どんなローンがあるの?

ローンには大きく分けて2種類があります。まずは、公的な機関が融資してくれる「公的ローン」。住宅金融支援機構の財形住宅融資や、自治体の融資などがこれに当たります。銀行をはじめとした民間企業が融資してくれるものは「民間ローン」と呼ばれます。フラット35やフラット50、全期間固定金利のローンや固定金利選択型などがあります。

また、ローンの名義人が亡くなったり大きな障害を負うなどして働けなくなった場合に家のローンの返済をおこなってくれる「団体信用生命保険」もローンの一種として考えられることがあるようです。

ローンの選択基準

住宅ローンを選ぶ時には、まずあちらが提示しているローンを組む条件に合致しているかどうかが重要となります。いくらこちらが借りたいと考えても、条件に合致していなければまず門前払いとなってしまいます。

次に重要になるのが金利です。金利のタイプは「全期間固定型」「固定期間変動型」「変動型」などがあります。後者になるほど最初の金利は低くなりやすいのですが、景気変動などにより途中で金利が上がるリスクが高くなります。どのタイプの金利を選ぶかは、ローンを組む時点での景気などを判断しながら決めていかなくてはなりません。

もちろん、同じタイプのローンならば、金利が低い方が有利であると言えるでしょう。住宅は金額が大きな買い物になりますので、1%未満の金利差でも、その差は非常に大きくなりがちです。

別のローンと一緒にできる?

住宅ローンの他にローンで買い物をする可能性が高いのは車でしょう。では、住宅ローンと車のローンを一緒にしてしまうことはできないのでしょうか。一本化してしまうことができれば、返済日や返済額もすっきりして分かりやすくなりますよね。

しかし、基本的にはこのような方法は取れないと言われています。住宅ローンは住宅を取得するために貸し出すお金であるというのが原則となっているためです。税金の控除などにも使用できますので、一本化してしまうと違法になる可能性もあるようです。

ただし、審査にさえ通るのならば、他のローンと一緒に借りることは可能になります。もちろん、車などのローンが残っていれば審査の条件としては厳しくなってしまいますが、ローンが残っているから借りられないということはありません。

ローン審査のポイント

年齢

住宅ローンの審査では、年齢が大きなポイントとなります。借入時の年齢が何歳なのか、完済時には何歳になるのかという点を考慮しながら審査が進められていきます。審査の基準は金融機関によって異なりますので、何歳までならば借りることができるかと明言することはできません。

しかし、一般的には75歳から80歳くらいまでが完済時期の上限となることが多いようです。つまり、35年の住宅ローンを借りようと思った場合には、45歳くらいまでには借り入れをしなければ間に合わないということになるでしょう。

返済負担率

返済負担率とは、収入における月々の返済額の割合のことです。当然のことですが、毎月の収入は住宅ローンの返済以外に、生活費などにも使用するものです。住宅ローンを貸す側としては、収入負担率が高くなると返してもらえなくなってしまう可能性がありますから、審査のポイントとして組み込んでいるのです。

負担率の審査基準ももちろん金融機関によって異なりますが、年収によって25%から35%程度と設定されている場合が多いようです。つまり、毎年の返済額が年収の1/4程度に抑えられるように頭金などを用意すれば審査に通る可能性を高めることができると言えるでしょう。

担保の評価

住宅ローンを借りる時には、購入する住宅や土地が担保として設定されます。万が一ローンが返済できなくなってしまった場合には、その土地や住宅が金融機関に没収されます。つまり、その土地や住宅の担保価値が高ければ高いほど、住宅ローンが借りやすくなると言えます。

一般的には購入価格=担保価格として計算されることが多いようです。審査が厳しい金融機関の場合には、この80%から90%の金額が貸出可能額として計算されると言います。この場合、残りの分の金額は頭金として用意しなければなりません。100%を借り入れできる場合もあります。

ただし、住宅ローンの借り換えを行う場合や、中古物件を購入する場合には、担保の価値が低く見積もられることが多くなります。その場合には、多くの頭金を用意しなければならなくなる可能性がありますので注意が必要です。

勤続年数

住宅ローンを借りるためには、実質的には正社員でなければ難しいと言われています。さらに、勤続年数が何年あるのかということも審査のポイントとなってくるようです。一般的には、勤続年数が3年程度あると収入が安定していると考えられてローン審査に通りやすくなると言われています。

ただし、ヘッドハンティングなどでの転職を繰り返していたり、キャリアアップのために短い期間での転職をしているような場合には、相談すれば勤続年数がこれよりも短くても不利にならないこともあるようです。そのような場合には、給与明細や源泉徴収票など過去の収入と比較できるものを用意したうえで金融機関に相談してみると良いかもしれません。

健康状態

住宅ローンを借りるのと健康状態にどんな関係があるのかと思われるかもしれませんが、これが実は非常に重要なポイントです。住宅ローンを借りる時には、一般的に「団信」と呼ばれる保険に加入しなければならないことがほとんどです。

団信とは団体信用生命保険の略語で、万が一ローンの名義人が死亡したり大きな障害を負ったりした場合に代わりに住宅ローンを返済してくれる形の生命保険です。この団信に加入することが条件となっている住宅ローンが多いですから、団信に加入できる健康状態であるかどうかということは重要なポイントとなってくるのです。

ただし、団信に加入できなくても、ワイド団信を使用するという方法や、団信の加入が任意であるフラット35などのローンを利用するという方法もあります。持病があるなどで団信の加入が難しい場合には、こちらを検討してみるのも良いでしょう。

年収

住宅ローンの審査には返済負担率がポイントになるということはすでにご紹介しましたが、そもそもの年収も審査の基準となります。住宅ローンを借りられる最低年収は、200万円から300万円となっている金融機関が多いとされていますが、中には400万円が最低ラインとなっている場合もあるようです。

30代前半の男性の平均年収が432万円と言われていますから、それと同程度の年収が求められることもあると考えて良いようですね。また、場合によっては収入合算者も最低年収をクリアすることが求められる場合もあると言います。例えば、夫と妻の収入を合算してローンを借りようとする場合に、そのどちらも最低年収を超えている必要がある場合があるということです。

また、自営業者の場合には経費などを差し引いたあとの所得が審査の基準となります。税金対策などで極端に所得が少なくなっている場合には、住宅ローンの審査に通りにくいと言われていますので注意が必要となるでしょう。

賢いローンの払い方

借り換えをする

住宅ローンの賢い返し方として、借り換えをするという方法があります。借り換えとは、金利が有利な条件の住宅ローンを新しく借りて、古い住宅ローンを一括で返済してしまうことで、今までよりも安い金利で住宅ローンの返済を行っていく方法のことです。

一般的には、ローンの残額が1000万円以上、返済の残りの期間が10年以上、金利差が0.5%から1%以上ある場合には有利になることが多いと言われていますが、手数料などがかかる場合もありますので、本当に得になるのかどうかはきちんと計算してみなければなりません。

インターネット上には、住宅ローンの借り換えシミュレーションができるツールもありますから、借り換えを考えている場合には利用してみてください。

繰り上げ返済をする

繰り上げ返済とは、本来の返済期限よりも前にお金を返すことで、その後かかるはずだった金利分の返済額を小さくできるという返済方法です。ただし、手数料などがかかる場合もありますので、本当にお得なのかどうかはきちんと計算してみる必要があります。

また、それによって生活が苦しくなってしまっては本末転倒ですので、きちんと計画性を持って繰り上げ返済を行うことが重要であると言えるでしょう。繰り上げ返済はしたいけれど、いざという時のための貯金も残したいという場合には、東京スター銀行の預金連動商品がオススメです。

預金連動商品とは、普通預金をはじめとした対象の口座にお金を預けておくと、その分が繰り上げ返済したとみなされて住宅ローンの金利がかからなくなる制度のことです。つまり、住宅ローンの残額と同じ額が口座に入っていれば、住宅ローンの金利がゼロになるということです。使う予定のない、将来に備えたお金がたくさんある場合には検討してみてください。

住宅ローン控除の利用

住宅ローンは、ある一定の条件を満たした場合には住宅ローン控除が利用でき、所得税や住民税を減免してもらうことができます。住宅ローン控除を受ける場合には1年目に確定申告が必要となりますが、それだけでローン残高の1%にあたる税金が返ってきます。他にも条件などはありますが、ざっくりとこんな感じにとらえておけばよいでしょう。

つまり、住宅ローンの残額が2000万円である場合には、年収にもよりますが年間で20万円程度の税金が返ってくることになります。これは大きな額ですから、ぜひ利用しておきたいですね。個別に計算したい場合には、自動で計算してくれるシミュレーターなどもありますので利用してみると良いでしょう。

ローンが払えないときの対処

離婚した場合

離婚して住宅ローンが支払えなくなってしまった場合、ひとつには任意売却という方法があります。不動産屋に依頼して住宅を売却する方法です。ただし、この方法では、売却額よりもローンの返済額の方が大きくなる可能性が高いため、差額は自分で返さなければならなくなるでしょう。

離婚時の取り決めで、家に住み続ける方が全額ローンを支払うという場合もあります。例えば、今まで夫婦で半額ずつローンを支払っていたけれど、離婚後は夫が全額住宅ローンを支払うというような場合です。この場合には、ローンを全額夫の名義に名義変更しなければなりません。

その他にも、様々な手立てを用意してくれている場合がありますので、まずは金融機関に相談してみるのが良いでしょう。

生活費だけで一杯の場合

住宅ローンを借りたものの、環境が変わるなどして生活費だけで精いっぱいになってしまった場合には、金融機関に相談すれば住宅ローンのリスケジュールをしてもらえる場合があります。

現在の住宅ローン全額は支払えなくても、月いくらなら支払えるのかということを相談すれば、返済期間を延ばして月々の返済額を下げるなどの処置を取ってもらえる場合があります。ローンを支払えなくなったから即家を売らなければならなくなるわけではないので、まずは金融機関に相談してみるのが良いでしょう。

生活自体ができない場合

生活自体ができないほど困窮して住宅ローンが払えなくなったら、まず考えるべきは生活の再建です。生活費の見直しや任意整理、個人再生の手続きなどをする中で、金融機関に相談してみるのが良いでしょう。リスケジュールなどの処置を取ってもらえる場合もありますし、任意売却せざるを得ない場合もあります。できれば、専門家を伴って相談にいければ理想的です。

知識を身につけて住宅ローンを組もう

住宅ローンを借りるためには、様々な審査ポイントがあります。収入だけではなく、健康状態や年齢、勤続年数なども審査ポイントとされますので、考慮しておくと良いでしょう。借り換えや住宅ローン控除、繰り上げ返済などをおこなえば、賢く住宅ローンの返済を行うこともできます。

どうしても住宅ローンを返せなくなってしまった場合には、金融機関に相談すれば月々の返済額を下げてもらう処置を取ってもらえる場合もありますので、まずは相談してみるのが良いでしょう。